森のように生きる「リトリート」ストレス社会の人と自然の調和のある暮らし方

みなさんは「リトリート」という言葉を聞かれたことはありませんでしょうか?

リトリートという言葉はリトリートメント(retreatment)という言葉が語源で、日本語では転地療法、つまり普段いる場所から物理的に距離をとることで疲れを癒す方法です。

今回はそんなリトリートについて話を進めていきたいと思います。

はじめに

はじめにリトリートとは、「普段の慌ただしい生活から離れた非日常的な場所で自分と向き合い、心と身体をリラックスさせるためにゆったりと時間を過ごす新しい旅のスタイル」。

しかし、リトリートって?何をすればいい?など、分からないことも多いのでは?
そんな疑問がいっぱいかもしれません、リトリートについてまとめました。

私もかつて調べまくりましたので、少しでもお役に立てれば幸いです。

リトリートとは

リトリートは直接的には辞書で調べるとこのようにありました。

an act or process of withdrawing especially from what is difficult, dangerous, or disagreeable

「避難・退却」といった意味があります。

「普段自分たちがいる場所から離れた空間に身を置き、ココロとカラダを回復させる時間と空間」を意味します。

人間は生まれてから約700万年。これまで猛獣から身を守ったり、木の実やキノコを食べたりと森とともに暮らしてきました。

しかし近代化の波は自然を破壊、都市に住むことで自然から人が本来安心を感じる場所から異空間に身を置かなければならないということで、心理的な不安を呼び起こしています。

さらにはこの30年で進んだ光革命の影響です。

私が生まれた1970年代は、何かを知ろうと思えば新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、書籍でした。

しかし、今やPCやスマホの長時間操作から来るデジタルストレスが人々を圧迫しています。

人間関係に伴う心理的消耗がもはや当たり前となっている現代社会で、活力を維持しバランスを保ち続けることは容易なことではありません。

こうした社会背景から日本でもリトリートの需要が年々高まってきていることが伺えます。

こないだこんなツイートしました。

いつもいるオフィスや家だとどうも、日常感が感性を開かせてくれません。

アイデアや自分の強み探しには、非日常に出ること。

それが一番だと私は確信しています。

リトリートで何をするのか?

実は様々なリトリートが存在します。

まずは、ただ日常から離れてぼーっとしてみるのもリトリート

ただ海を眺めるだけです。それでも考えただけで高揚してきませんか?

まさに自分を蘇らせる。

それこそがリトリートだと私は考えています。

人にはそれぞれ好みがありますから、ご自身のチョイスで、様々なリトリートが可能です。

温泉などの湯治も一種のリトリートかもしれません。

ヨガ、瞑想、エステ、座禅、ファスティング、ピラティス、カラーセラピー 、読書会、森林浴、神社仏閣・史跡めぐり、コーチング、最近ではも含まれると思います。

欧米ではリトリートが盛んで、グーグルでは4週間のリトリート休暇なんかもあるそうです。

私は、マインドフルネスに関心があり、アメリカでも有名なエサレン研究所を訪問。

カリフォルニアや全米を周り、リトリートを体感してきました。

マンガでわかるグーグルのマインドフルネス革命 (サンガ) Kindle版

こんな本もあります。

日常とは異なる環境と方法で感性を刺激し、緊張緩和と癒しにより、自己成長の機会を設け、創造性を高めることがリトリートの肝となります。

リトリートの効果

全体的に言えばカラダをリラックスさせたり、そして活力を回復させることができます。

日常を離れいつもとは違う場所に身を置き、土地にしかない要素を学び、全身で体感を深めることは、新しい自分の発見にもきっとつながります。

こうした体験を重ねることが、現代社会生活で疲れた心と身体を深部からよみがえらせてくれるのです。

そして、自然の中での活動の広がりで森林浴の効果のスゴさが科学的に証明され、見直されてきていることも注目です。

例えばストレス時に高まる交感神経の活動が抑えられたり、ストレスホルモンであるつばの中のコレチゾールの濃度が低下。

さらに森に滞在することで血圧や脈拍数が低下、心理的にリラックス効果がある。

おまけにガン細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞が増えたり、同じくガンに対抗する高タンパク質が増えると言われています。

これまで自然の中といえば、遊びに行っているというイメージもありましたが、このような大学などの研究機関が論文に発表したりしています。

日本で有名なのは千葉大学の宮崎教授による研究で、すでに世界的にも有名な先生です。

企業研修にも活用

グーグルなどは任意でマインドフルネスなんかの研修も受けられるのだとか。

もともと多民族な国だから、宗教性を排してみんなでできるようにとマインドフルネスを活用しているらしいのですが、各企業もこれからは一律ではなく個別に対応していく時代が来ているように思います。

職場での従業員の健康管理は、カラダだけでなくメンタルも放置できない状態ですから、一層この分野の重要性に気づいたところから順次導入していくものと思われます。

具体的な研修内容としては、二日間の日程を確保して以下のようなものがモデル例です。

ケースバイケースで、半日、一日、また長くすることもあるでしょう。

(1日目)

・日常生活、生活習慣の振り返りからはじまり、職場でのコミュニケーションやメンタルの話や、癒しの効果と活用などをグループで討議。

・温泉に入浴したり、地元の幸を味わい、地域の人とも交流

・自律神経のバランスを測定したり、ストレスの調査を実施

・保健スタッフによる個別面談、グループ面談

(2日目)

・早朝ウォーキング

・森の中での瞑想、マインドフルネスの体験

・森の生態、自然についての解説

・グループワークで傾聴、コーチング、腹式呼吸、自律訓練法について

・個人、グループでの振り返り

・自律神経のバランス測定、ストレス調査

まとめ

リトリートとは、普段の慌ただしい生活から離れた非日常的な場所で自分と向き合い、心と身体をリラックスさせるためにゆったりと時間を過ごす新しい旅のスタイル。

近代化の波は自然を破壊、都市に住むことで自然から人が本来安心を感じる場所から異空間に身を置かなければならないということで、心理的な不安を呼び起こしている。

温泉、ヨガ、瞑想、エステ、座禅、ファスティング、ピラティス、カラーセラピー 、読書会、森林浴、神社仏閣・史跡めぐり、コーチング、など多彩なバリエーションが可能。

国も動き出し、大学などの研究機関のエビデンスもどんどん出てきている中、このストレス社会を乗り切るために活用しない手はありません。

そして個人レベルにおいても、ストレスと向き合っていく中で積極的に活用していきたい分野であるということができます。

私もここ数年取り組んでいる分野であり、人々が生き生きと働くことができる支援をさらに進めていきたいと考えております。

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