5分で分かる マインドフルネスの歴史 

最近マインドフルネスという言葉をよく聞きます。

仏教がアメリカの中に入り、マインドフルネスと呼ばれるようになったらしい。

そこで、アメリカにどうして仏教や日本の「禅」が伝わったのだろうとすごく気になってきた。

モヤモヤは募るばかりなので、徹底的に調べてみました。

なにせ僕は比叡山延暦寺の門前町で育ち、学校も延暦寺関係で高校まで過ごした。

仏教はいわば物心つく前から触れていた空気のような自然なもの。

その仏教から変化したマインドフルネスは、スティーブ・ジョブズのアップルやグーグルなど世界的な会社でも取り入れられている。

もはや他人事ではないという気持ちがあります。

それでは、早速見ていきましょう。

時の流れで順に説明していきます。

1800年代 慶應義塾出身の釈宗演が日本仏教を紹介

1893年(明治26年)のシカゴで万国宗教大会。

そこで禅は鎌倉の臨済宗円覚寺の釈宗演(福井県出身)によってアメリカに伝わります。

明治政府の宗教政策により、当時の仏教の退廃が著しかった時代、慶應義塾出身者の釈が日本の代表となったというのが面白い。

戦争を避けるために宗教が果たすべき役割を問うもので、人類愛の実現のために、我々が中心になろうと呼びかける内容で、会場は拍手喝采で迎えられたという。

 

釈宗演 ウィキペディアより

 

1900年〜1950年 

アメリカでの釈をサポートした鈴木大拙が後に続く

1927年釈の紹介で、鈴木大拙(金沢出身)が「Essays in Zen Buddism」を出版。

釈のアメリカでの公演をサポートしていた英語に堪能な鈴木大拙が、その後を引き継いだ。

鈴木大拙 ウィキペディアより

1936年 イギリス出身の学者アラン・ワッツが「The spirit of Zen」出版

アランワッツ ウィキペディアより

1950年代になるとゲイリー・スナイダー、アレン・ギンズバーグ、ジャック・ケルアックなどのちにピューリッツァー賞作家となる人々も禅を実践。

ゲイリースナイダー ウィキペディアより

1951年〜2000年

鈴井俊隆

1962年鈴木俊隆(神奈川県出身)がサンフランシスコ禅センター設立。 曹洞宗の研修施設で、気軽に坐禅に参加してもらう雰囲気を作り、徐々に人数が増えていく時期。

ウィキペディアより

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ティックナットハン

1975年ベトナム出身の禅僧ティックナットハンが「The miracle of mindfulness an introduction to the practice of mediation」出版。彼はキング牧師にも影響を与え、「過去を後悔したり未来を気に病むのではなく今ここに集中するマインドフルネスを浸透させる。

この人がベトナムにいた時、アメリカとの戦争で隣人を数多く殺されたと言います。それを乗り越えて、アメリカに平和を呼びかける姿勢は多くの人の心を打ったのでした。

ジョンカバットジン 大学教授が注目

1979年 マサチューセッツ大学医学部教授ジョンカバットジンにより、西洋医療では解決できない問題に対しMBSRという瞑想中心のプログラムを開発。

ジョン・カバット・ジン ウィキペディアより

マインドフルネスストレス低減法 

1980年代マインドフルネスがアメリカ社会に拡散

1986年スティーブ・ジョブズが当時の会社Nextに宗教顧問として曹洞宗の僧侶乙川弘文(新潟出身)を招く。ちなみにNextは10年でアップルに買収される会社だけれど、従業員は500人もいたとか。

スティーブ・ジョブズ ウィキペディアより
乙川弘文 ウィキペディアより

スティーブ・ジョブズは鈴木俊隆の「Zen Mind ,Beginner’s Mind」をバイブルとし、乙川は鈴木の紹介であった。(リンクは日本語版に飛びます)

1990年代から大学により研究が広がる

1998年カリフォルニア大学サンフランシスコ校が西洋医学と東洋医学を統合した研究機関Osher center for integrative medicineを設立。妊婦の不安軽減、子育てのストレス軽減、癌などの緩和ケアにマインドフルネスを活用。

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2001年〜2005年

2001年カリフォルニア大学バークレー校でGreater good science center設立。

心理学、社会学、神経科学の側面から人間がより幸せになり、慈悲の心があふれるようになるかを研究。

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2003年 MBSRを作ったジョンカバットジンと神経科学の世界的権威ウィスコンシン大教授リチャードデヴィッドソンにより、筋トレのようにマインドフルネス瞑想で脳が鍛えられるという論文を発表。

リチャードデヴィッドソンはダライ・ラマからのオーダーで瞑想を研究していた人。

左がダライ・ラマ 一番右がリチャードデヴィッドソン ウィキペディアより

The Emotional Life of Your Brain

2004年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校がMindful awareness Reserch Center設立

2006年〜

2007年

・200万人以上のアメリカ人がマインドフルネス関連の代替医療を利用とアメリカ国立衛生研究所発表。

・GoogleにSearch inside yourself 設立 「心の知能指数」とは自己や他者の感情を知覚し自分の感情を制御する能力のこと。

2012年グーグルから独立。

サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

マインドフルスクール設立 全米及び世界100カ国以上の国に提供するプログラムを開発。

・2008年スタンフォード大学ジムドーティ博士とダライラマが共同出資し、The centar for compaassion and altruism research and education設立。

慈悲の心と利他主義についての研究機関を設立。

相手の苦しみを理解し軽減したいという気持ちを養うプログラムを開発。

2009年 

世界最大のマインドフルネス会議 Wisdom2.0開催。

グーグルやフェイスブックなど時代を牽引している企業が出席。

2012年

マインドフルネスアプリ Head Spaceスタート

2013年 

ティクナットハンが世界銀行に招かれて世界約148カ国が加盟する会議で参加者と共に瞑想を行う。

2014年

 雑誌TIMEがマインドフルネス革命の記事

2016年

警察官を治験者としてマインドフルネスでストレスで怒りが軽減されたという論文発表される。

(参考マガジンハウス BRUTUS みんなのZEN)

まとめ

日本人の釈、鈴木氏が開拓し、ベトナム戦争の反戦運動の波にも乗った。

その後は大学研究の一つとなり学問として広く認知され、企業も効果を認め世界的な広まりを見せている。

以上がマインドフルネスの流れでした。

ご参考になれば幸いです。

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