ポジテイブ心理学についての資料

 

 

アメリカ心理学会の会長でもあった、マーティン・セリグマンがポジテイブ心理学についてTEDの中で語っている内容です。非常にわかりやすいので、掲載させていただきました。

参考にしてみてください。

以下のリンクはTEDに飛びます。

https://www.ted.com/talks/martin_seligman_on_the_state_of_psychology?language=ja&utm_campaign=tedspread&utm_medium=referral&utm_source=tedcomshare

 


(マーティン・セリグマン氏の発言)

 

今の心理学の良いところは何でしょうか?

60年以上にわたり 心理学は病理モデルを基本としてきました。

10年前 飛行機に乗ったとき隣の席の人に自己紹介をして どういう仕事をしているのか話したらみんな私から距離を置きがちになっていました。

心理学は人の問題を見つける 狂ってる人を特定するものだと彼らは思っていたのでしょう。

 

しかし今 私が何をしているのか話すと誰もが乗り出して興味を持ちます。

これまでの心理学にも良かった点はあります。

 

300億ドルの投資がされた国立精神衛生研究所によりまた病理モデルに基づいた研究によりこれまでの典型的な心理学ができるようになったことがあります。

60年前にはどのような疾患も手当てできませんでした。

単なるまやかしに過ぎませんでした。

今では14もの疾患を手当てできてそのうちの2つは実際に治せます。

それに加えて精神疾患についての科学的手法も発展しました。

うつやアルコール中毒などの曖昧な事例に対して精密な検査ができることに気づきました。

精神疾患の分類も作ることができましたしその因果関係を理解することもできました。

例えば 遺伝的に統合失調症になりやすい人を長い期間観察し続けることで育児と遺伝の寄与を調べたり

精神疾患を扱った実験をして関係ない要因を分離することができました。

とりわけ 過去50年の間に薬物治療や心理学的治療を開発して無作為割り付け盲検法で厳密に検証して 効果のない治療は止め有効な治療だけを残すことができました。

過去60年の心理学と精神医学の結論として言えるのは、苦しんでいる人の苦しみを和らげることができると確かに主張できることです。

これはすごいことです 誇りに思います。

 

 

しかしこれらの結果として3つ良くないことが発生しました。

 

1つ目は行動規範についてです。

心理学者と精神科医は被害者学者や病気を探す人になってしまい困難は外的なもので どうにもできないのだと捉えてしまいました。

困難は外的なもので どうにもできないのだと捉えてしまいました。

人が選択と決定をすることを忘れ責任ということを忘れたわけです。

 

2つ目の代償は普通の人々について考えなくなってしまったことです。

普通の人生をさらに良くすることを忘れてしまいました。

あまり困っていない人々をより幸せで より充実して より生産的にすることを忘れ天賦の才や才能などは禁句になってしまいました。

誰もそれを扱っていません。

 

そして病理モデルの第3の問題は、困難にある人々に対して何かをしようという衝動、回復のために何かをしようという衝動です。

私たちがそういう姿勢だったので、人々をより幸せにするポジティブな介入は発展しませんでした。

これらが良くなかった点です。

 

 

これが エトコフやギルバートやチクセントミハイや私がポジティブ心理学と呼ばれる分野の研究をするようになった理由です。

ポジティブ心理学には3つの目標があります。

 

まず心理学は短所と同じように長所にも関心を向けるべきであるということ。

傷を回復することと同じように 長所を伸ばすことにも関心を向けるべきです。

人生で最も素晴らしいことに対して。

そして普通の人々の人生をより充実させることと、天賦の才や高い才能の養育にも関心を持つべきです。

こうして この10年の間に、人生の生きがいについての科学であるポジティブ心理学が幕を開けました。

今後もさらに続いていくことでしょう。

 

異なった種類の幸せを測定できることが発見されました。

どなたでもこのペンシルベニア大学のウェブサイトにアクセスして

https://www.authentichappiness.sas.upenn.edu

幸せのテストを一通り受けることができます。

 

 

あなたが どうやってポジティブな感情や意味 フローに達するのか、文字通り数万人と比較することができます。

精神障害とは正反対の診断表を作りました。

強みと長所の分類表です。

性別ごとの割合 どのようにその項目が定義されているか どのように診断するか何がそれを伸ばし 何がそれを阻害するか がわかります。

ポジティブな状態が起こる原因—

 

脳の左半球と右半球の活動がどのように幸せに影響するのか解き明かせると気づきました。

大変苦しんでいる人々を相手に仕事をしてきて、この苦しんでいる人たちと普通の人たちとは何が違うのか疑問に思いました。

6年前からは非常に幸せな人々に対して、彼らは他の人々と何が違うのだろうか?と問いかけ始めました。

そうしてある理由が判明しました。

彼らは特に信仰心が強いわけでもなく 体型が良いわけでもなく、お金がたくさんあるわけでも 見た目が良いわけでも良い出来事が多いわけでも 悪い出来事が少ないわけでもありませんでした。

違うことはただ1つです。 彼らはものすごく社交的です。

土曜の朝にセミナーに出席したりしません。

1人で時間を過ごすことはありません。

良い恋愛関係を持っていて、いろんなタイプの友人がいます。

ただ注意してください これは単に相関があるだけで原因を示しているのではないです。

また私がお話しするのはハリウッド映画みたいな分かりやすい幸せです。

はしゃいだり 笑ったり 歓声を上げたりするような幸せのことです。

そういった幸せだけでは十分でないと 今から示します。

 

 

ブッダからトニー ロビンズまでの何世紀にもわたる介入手法を検討することから始めました。

人々を幸せにするという介入手法は 120 ほども示されています。

無作為割り付けをして効果や有効性を検証できました。

つまり「どれが本当に人を永続的に幸せにするのか?」

これからその結果をご紹介します。

 

この話の要点は精神疾患の治療という使命と苦しんでいる人の苦しみを和らげるという使命に加えて私が心理学に持って欲しいと願う使命であり「心理学は本当に人々を幸せにすることができるのか」ということです。

そのことを問うためには、私があまり使わない言葉である 「幸せ」を分解して議論できる形にしなければなりません。

 

3 つの異なった幸せがあると考えています。区別する理由は3 つは異なったレシピで形成されこの中で特定の1つの幸せを目ざせるからです。

 

1つ目の幸せな生き方は快楽の人生です。

これは可能な限り多くのポジティブ感情を持ちそれを強めて人生を過ごすことです。

 

 

2つ目は夢中を追求する人生です。

あなたの仕事 子育て 愛 余暇活動のために時間が止まります。

これはアリストテレスが言っていたことです。

 

3つ目は意味のある人生です。

これらの3つの生き方のそれぞれについて、わかっていることをお話します。

 

 

1つ目の快楽の人生は 単純に快楽を手に入れるように最善を尽くす生き方です。

 

できる限り多くの快楽と、できる限り多くのポジティブ感情を持って味わったり意識を充実させるなど それらをより強くする技術を習得して快楽と感情を時間と空間を越えたものにする人生です。

しかし快楽の人生には3つの欠点があります。

 

ポジティブ心理学が幸福学ではなく 講演がここで終わらない理由がそこにあります。

快楽の人生の欠点の1つは、ポジティブ感情は遺伝性であるということです。

50パーセント程度が遺伝的で たいして変えることができません。

人生の中でポジティブ感情を増やすことについて、マシューや私やその他の何人かが知っている異なったやり方は15から20 パーセントほど 多めにポジティブ感情を獲得することに役立つでしょう。

 

2つ目は ポジティブ感情には慣れが生じることです 実に急速に慣れてしまいます。

私はフレンチバニラアイスクリームが好きです 最初の味は100パーセントです。

しかし6口目を食べるときにはそうではない。

そして申し上げたように 引き伸ばすことはとても難しい。

ここで2つ目の幸せな生き方が出てきます。

 

なぜポジティブ心理学がポジティブ感情と喜びを積み上げることに留まらないのかを説明するためにレンのことを話しましょう。

30歳の頃には人生の3つのステージのうちの2つでレンはとても成功していました 最初のステージは仕事です。

20歳になる頃にはオプション取引をしていました。

25歳の時には億万長者になっていてオプション取引会社の社長になっていました。

第2のステージは遊びです 彼はブリッジの国内チャンピオンでした。

しかし第3のステージである恋愛については レンは底知れぬ失敗者でした。

レンは無感情そのものだったからです。

レンは内向的でした。

アメリカの女性がレンとデートした時に言いました。

あなたって全く楽しくなくて ポジティブな気持ちも持ってない さっさとどこかへ行って。

レンはとても裕福だったのでパーク・アべニューの精神分析家のところへ診察に行き精神分析家は5年かけてレンの中にポジティブ感情を閉じ込めた性的トラウマを見つけようとしました。

しかし性的トラウマは全くありませんでした。

わかったことは レンはロングアイランドで育ち、フットボールで遊び フットボールを観戦し ブリッジをしていたことだけです。

レンはポジティブ感情の軸で並べたら下位 5パーセントに入ります。

レンは不幸なのでしょうか?私は違うと思います。

ポジティブ情動性の下位50パーセントの人間について心理学が説明することとは裏腹に、レンは私が知っている最も幸福な人のうちの1人でしょう。

彼は不幸に捕らわれたりしません。

また みなさんと同じように非常にうまくフローを活用できます。

朝9時30分にレンがアメリカ証券取引所に入ると、彼の時間は止まります それは終了の合図まで続きます。

最初のカードが切られると10日後にトーナメントが終わるまでレンの時間は止まります。

これはまさしくミハイ チクセントミハイがフローについて話していたことで、またフローと快楽の違いは非常に重要です。

快楽にはその場で起こっているという生の感じが伴います。

思考と感覚があります。

しかしミハイが話したように フローが起こっている間には何も感じません。

音楽と一体になり 時間が止まるというわけです。

強烈な集中状態です。

これは確かに良い人生の特徴です。

そして最も高い強みを知るという良い人生を作るためのレシピがあります。

 

5つの強みを知るための有効なテストがあります。

その長所をできるだけ活かせるように人生を修正しましょう。

 

仕事も愛情関係も趣味も友人関係も子育ても一例として食品スーパーのレジ係の話をしましょう。

彼女は自分の仕事を嫌っていました。

大学に通う間ずっと働いていました。

一番の強みは社会的知性だったので、その日で一番の社会的体験をお客さんに提供できるように仕事のやり方を変えようとしました。

そううまくいくものではありません

しかし彼女は一番の強みを見つけ、仕事でそれを最大限に活用するようにしました。

常にニコニコしていればいい というわけではありません。

デビー レイノルズみたいにならなくていいんです。

そんなに笑ったりしないでしょう 大事なのはもっと没頭することだったのです。

これが2つ目の方法です。

 

 

1つ目の方法はポジティブ感情、2つ目の方法はエウダイモニア(幸福)のフロー状態、3つ目は意味です。

これは伝統的にも 幸せの中で最も尊敬されるものです。

 

前の項目 エウダイモニアと並行して、自分より大きな何かに捧げるために自分の最も高い強みを知ること、それを使うことから成り立ちます。

 

 

快楽の人生

充実の人生

意味のある人生の

3つの生き方を紹介しましたが、ここで誰もが気になってくるでしょう。

永続的にこれらの生き方をするための方法があるのだろうか?

 

その答えはイエスと思われます。例をお話ししましょう。

これらは厳密な方法で本当に効き目がある薬を検証するのと同じ方法で確かめられてきました。

異なった介入に対して 無作為割り付け盲検法の長期研究を私たちは行っています。

効果があると判った介入をいくつか示します。

  

快楽の人生について教えるときに、人生の快楽を増やすための習得課題として集中する技術や満喫する技術を身につけさせます。
  
素晴らしい一日を作り上げることを宿題にします。

  

満喫して精神を充実させて快楽を高めてください。

  

そうすることで快楽の人生の質は高められていきます。

  

感謝の訪問について話しましょう

  

皆さんもイメージしてください。

  

目を閉じて。

  

あなたの人生を良い方向に変えた非常に重要なことをしてくれたにもかかわらずこれまでにちゃんと感謝を伝えられなかった誰かを思い浮かべてください。

  

今も生きている人に限ります よろしいでしょうか。

  

では 目を開けてください。

  

ぴったりな人が見つかったかと思います。

  

感謝の訪問をする時にあなたがすることはその人に300語の感謝状を書いて、フェニックスに電話をかけて、なぜかは言わずに訪ねてよいか聞きます 訪ねていって感謝状を読んでください。

  

誰もがこの時に涙を流します。

  

1週間後 1ヶ月後 3ヶ月後にテストしてみるとより幸せであり また うつ状態にもなりにくくなっています。

  
  

他の例として強みのデートがあります。

  

カップルのそれぞれに一番の強みをテストで調べて2人の強みを活かせる一晩を計画してもらいます。

  

これはお互いの関係の強化につながります。

  

楽しみと慈善活動の対比について、慈善活動に打ち込む人が多く集うこのような場に加われたことは実に元気づけられることです。

 

さて 私の学生も共同研究者もこれを解明できていなかったので、実際に人々に利他的なことや楽しいことをしてもらってその2つを比較しています。

 

わかったことは 楽しいことをした時にはその気持ちは方形波みたいにしばらくしたら元通りになります。

  

他人を助ける慈善的なことをすると その効用は長く長く持続します。

  

これらはポジティブな介入の例です。

  

最後の1つ前に話したいことは人々がどれほどの満足を一生の中で得られるかについてです。

  

これが本当に大切なことで これこそが目標とする変数です。

  

3つの異なった生き方の関数として人生でどれほどの満足が得られるのかを問い
かけました。

  

15通りの条件を数千人の人々を対象にして検証しました。

  

快楽とポジティブ感情を追求する快楽の人生—

  

時間が停止する 夢中の体験を追求する人生—
  
意味の追求の人生—
それぞれがどのように人生の満足に影響しているのか?

 

結果は驚くべきもので 予想とは反対でした。

 

快楽の追求は人生の満足にほとんど関係がありませんでした。

  

 

意味の追求が最も強力なものでした。

  

夢中の追求にも強い関係がありました。

  
  

快楽は夢中になることと意味を持ってこそ役に立ち、そのとき 喜びはホイップクリームやチェリーのように彩りを添えます。

  
  

つまり3つが全てそろった生き方は 3つの総和よりも大きく、逆に3つのどの生き方もない空っぽの人生はそれぞれの生き方よりも小さなものになってしまう。

  
  

そして現在追究している疑問は、身体の健康 病的状態 寿命 生産性は先ほどの話と同じ関係なのかということです。

  

つまり 会社においては、生産性はポジティブ感情と夢中になることと意味に関係があるのか?

  

健康は夢中になること 快楽の人生の意味に関係があるのか?

  

どちらの答えも「関係あり」と考える理由があります。

  

クリスによると最後の講演者は全ての講演を総括する機会がもらえるそうです。

  

それを聞いた時は驚きました これほど多様な人が集まる講演会に出たことはないですから。

  

こんなにも自分の可能性を広げる講演者を見たのは初めてで、実に素晴らしいことです。

 

しかし心理学の問題はテクノロジーとエンターテインメントとデザインの問題に似ていることに気づきました。

 

テクノロジーとエンターテインメントとデザインは破壊的な目的のために扱われてきていて これからもそうかも知れません。

  

それと同時にこれらは苦難や不幸を取り除くためにも使うことができます。

  

ところで苦難や不幸を取り除くことと幸せを築くことの区別は非常に大切です。

  

患者を落ち込ませず 心配をなくし 怒りを和らげれば幸せにできると思っていました。

  

でもそうなったことはありません。

  

できたことは人をゼロに持ってくることでした。

  

しかし彼らは空っぽのままでした。

  

そうして幸せになる技術・快楽の人生を生きる技術・夢中の人生を生きる技術・意味の人生を生きる技術は

  

苦難と不幸を取り除く技術とは違っていることに気づきました

  

同じことがテクノロジー エンターテインメント デザインにも当てはまると考えています。
つまり世界の推進力であるこれら3つは幸せとポジティブ感情を増やすことが可能で一般的にもそのように使われてきました。
しかし私が話したように幸せを分解してみると、ポジティブ感情だけでは不十分で人生の中にはフローと意味も欠かせないことがわかるでしょう。

 
  
ローラリーが話したように、デザインに加えて エンターテインメントとテクノロジーは人生の中に意味のある夢中を増やすことができます。

 
  
まとめます 楽観主義者になるべき 11 番目の理由とは宇宙エレベータに加えて、テクノロジーとエンターテイメントとデザインによって総量を実際に増やすことが可能なことです。

  

テクノロジーが次の10年 20年に快楽の人生と充実の人生と意味のある人生を増やすことができたら非常に素晴らしいです。

  

エンターテインメントがポジティブ感情と意味とエウダイモニアを増やすことに転用できたら非常に素晴らしいです。

  

デザインがポジティブ感情エウダイモニアとフロー そして意味を増やせたら—

  

私たちが1つになれたら非常に素晴らしいです。