アムトラックの旅、後半でございます。
前編はサンフランシスコから乗車するまでと、アムトラックの車内について書きました。
後編は車内から見える風景を中心に書いて行こうかと思ってます。
どうぞお付き合いくださいませ。
コンテンツ
- 1 旅の行程
- 2 イントロ:最初から見所が目白押しサンフランシスコからロッキー山脈越えのフレイザーまで
- 3 タイムテーブル
- 4 アムトラックカリフォルニアゼファー号 乗車レポート
- 5 絶叫!ヨセミテ国立公園の真ん中を通過
- 6 サクラメントからカジノの町リノ
- 7 西部劇のような荒野を東へ東へ
- 8 旅のお楽しみの食堂車のご紹介
- 9 大河コロラド川の流れに沿って進みます
- 10 アメリカの大温泉街グレンウッドスプリングス
- 11 カヌーにラフティングしてるの眺めながら行くよどこまでも
- 12 標高4,401 mロッキー山脈を越えていきます
- 13 アメリカの鉄道屈指の名所ビッグテンカーブ
- 14 メジャーリーグコロラド・ロッキーズの本拠地デンバー
- 15 最終目的地オマハへ到着
- 16 最後に
旅の行程
カリフォルニア・ゼファー号のコースは素晴らしいといわれますが、なにせ長い。
ボーッと乗っているのもそれはそれなんでしょうが、どんなところを通るんだろうと見ていくのもおもしろいと思います。
カリフォルニア、ネバダ、ユタ、コロラド、ネブラスカとご覧のようにアメリカ大陸の半分以上を体感できる旅。
ワクワクが止まりません。
イントロ:最初から見所が目白押しサンフランシスコからロッキー山脈越えのフレイザーまで
サンフランシスコを出発した列車は、近代的な街並みを抜け、国立公園の森の中へ進んでいきます。
この路線は、森あり、砂漠あり、山脈ありのバリエーションがすごいのです。
乾いた大地から深い森、そしてロッキー山脈とずっと外を眺めていても飽きない景色。
上の地図をご覧ください。
目印を付けているフレーザーというのは、アムトラックの標高最高地点でひとつの目安、 2613メートルもの標高があるところです。
アメリカのアイスボックスと言われていて、マイナス50℃の気温になることもあるとか。
タイムテーブル
こちらがアムトラックの時刻表。
昔は旅行というとスマホなんてないから分厚い時刻表を眺めてルートとか探っていたので、こういうの見るとそれを思い出しますね。
今回の行程は、サンフランシスコ発シカゴ行きなので、画面の右側下から上の矢印、サンフランシスコエミリービル駅からシカゴまでのスケジュールで進んでいきます。
アムトラックカリフォルニアゼファー号 乗車レポート
サンフランシスコの都会から次第に木立が増えて、青空とのコントラストが目にやさしい。
いい!とてもいい!と思いつつ眺め続けます(笑)。
絶叫!ヨセミテ国立公園の真ん中を通過
ヨセミテという名前をお聞き覚えの方も多いかと思うのですが、そこに連なる国立公園の間を抜けていきます。
下の動画はヨセミテ国立公園の紹介動画です。これを見て僕の写真を見ると感じが伝わるのではないでしょうか。
ディズニーランドのアトラクションのデカイ版みたいなところを通過していきます。
草原の一軒家。
きれいに石が積まれていて、どのような人が住んでいるのか興味があります。
降りてみたい。
サクラメントからカジノの町リノ
お昼前にサクラメントに着き、美しい国立公園の森の中を通って午後4時にリノに到着です。
この間には、見えはしませんがタホ湖という琵琶湖の半分ぐらいの大きさの湖があります。水深は深くて世界10位。作家マーク・トゥウェインが「とても純粋できれいで、天使が吸い込む空気のようだ」と表現されたレイク タホは「ハイシエラの宝」と呼ばれています。
サクラメントは、近くの山で、その昔金塊が見つかったことからゴールドラッシュにわいた町。川をものすごい数の船がここを目指し、船を解体し家を建てたのがこの町の原型。今もその名残が見られるのだそうだ。
リノは、ラスベガスが砂漠の中に突然現れる電飾の町ならば、こちらは山の谷間の小ちゃなカジノ。
西部劇のような荒野を東へ東へ
今までは森の中を走ってきたのですが、一転荒涼とした砂漠地帯を走り午後7時にウィネマッカ駅に到着。
この乾燥したネバダ州の名の由来は、シェラネバダ山脈からなのだとか。
太陽も西に傾きながらなかなかしずみません。
ウィネマッカ駅 19時でもまだ明るい。
20時ぐらいで夜になる感じです。
夕食をいただきながらの夕陽。
間違いなく一生の思い出だろう。
旅のお楽しみの食堂車のご紹介
食事のメニューです。
アムトラックは、食堂車と売店があって、売店にも軽食やスナック、水、アルコールなどがあります。
座席車の人は食堂車使うと有料なので、夕食は食堂車で朝夕は売店と持ち込みのもので過ごされている感じでした。
僕が乗った寝台車は三食付きなので、あとはどれ食べるかだけです(笑)
朝食の光景。
食堂車では毎回、色んな人と会話できてすごく楽しい。
この男性は東京に仕事できていたそうな。
今はリタイアされて奥様と旅行。どこの国もそうですけど、だいたい女性のほうがめっちゃしゃべりますね(笑)
食堂車の利用については、こんな感じで、食事の予約をとりに来てくれます。
寝てたらパスされて、食べ損ないそうになったので気をつけてくださいね。
大河コロラド川の流れに沿って進みます
グランドジャンクションの地名は、コロラド川とガニソン川が合流する所を意味しているらしく、この地域最大の町。
最大と言っても4〜5万人程らしいが、名前のとおり各所への交差点になる場所なのだそうだ。
旅は乗り降りする人を眺めているのも面白い。
グランドジャンクションという駅に午前10時30分ごろ着。
長い休憩があって、駅の隣接の店で乗客はみんないろいろ買い物してました。
もっと休憩があると嬉しいなぁ。
アメリカの大温泉街グレンウッドスプリングス
コロラド川に沿って、温泉保養地グレンウッドスプリングスへ。ここは2011年のUSATODAY紙に全米で最も楽しい場所1位となった場所で、世界最大の温泉プールやあらゆるアウトドア・スポーツが楽しめる場所として有名。
カヌーにラフティングしてるの眺めながら行くよどこまでも
川を見てると、ラフティングボートが次々と下ってきます。
僕も大学時代はカヌーやラフティングしてましたので、体が反応します。
リンクはラフティング会社のサイト。
すごく楽しそう。
キャンプしながら下るのだそうだ。
そう言うのは食堂車で一緒になった女性で、デンバー在住。
この方は子供が二人いて、この辺りでいつも家族や友人と遊ぶのだそうで羨ましい限り。月に一回はキャンプしているとも言っていて、あちこち指さしながらあれはどうだこうだと説明してくれました。
めっちゃ好きなんだろうなというのがすごく伝わってきましたが、都会でなくても家族が楽しんで過ごせるひとつのやり方なのかなと感じました。
途中でサンフランシスコ行きのゼファー号とすれ違います。
標高4,401 mロッキー山脈を越えていきます
そして標高2613メートルのフレイザー向けて次第に高度を上げていきます。
この標高富士山でいうと7合目付近でしょうか。
最初にも書いたこの旅の標高が一番高いところにあるという駅。
時刻は午後4時。外に出れましたが、かなり寒い。
ほんとポツンとある駅。
ちょうど日本でうだる暑さのニュースが連日流れていてましたが、ここは寒すぎると思ってました。
アメリカの鉄道屈指の名所ビッグテンカーブ
アメリカ来て初めて出会う雨。
砂漠地帯を通ってきた今までとはまた違うしっとりとした光景です。
アメリカの鉄道屈指の名所ビッグテンカーブ、リトルテンカーブを通過していきます。
「テン」は曲線度数10度(弦100フィートで中心角が10度となる曲線)から来ていて、半径175mに相当する急カーブ。
ドローンで撮りたいね。
どうぞご覧ください。
メジャーリーグコロラド・ロッキーズの本拠地デンバー
そして、午後7時、雨の中デンバーへ。
デンバーは標高1600メートルほど。
富士登山で行った御殿場口登山道新五合目が1450メートルなのでまだ上。
寒いわけだ。
こちらの男性は、ウエールズの元消防士さん。
ニューヨークまで行って、グラウンド・ゼロの慰霊に行くそうだ。その前に、アメリカを見ておいでと、子供さんからのプレゼント旅行。僕がグラウンド・ゼロ行ったという話をしたので、結構話が盛り上がった。
最後の夜はアムトラック名物のステーキをいただく。
この夜は、普段飲まないお酒も少し飲みながら、外の景色をボーッと眺める極上の時間。
最終目的地オマハへ到着
朝5時。
ついに到着。すこしさびしい気持ち。
改めて乗ってきた列車を眺めると銀河鉄道999みたいで、かっこいい。
プライスレスな体験でした。
深く頭を下げる。
早朝すぎて暗いですが、オマハ駅なかなか立派。
最初の大陸横断鉄道はオマハとサクラメント間だったそうです。
時の大統領はリンカーン。南北戦争を有利にと鉄道建設を許可したとか。
ちなみに、江戸幕府の万延元年遣米使節で小栗忠順がアメリカを訪問したのがリンカーンの前のブキャナン大統領の時。
日本が丁髷をしていた、その時すでに鉄道があり走らせていたわけですから鉄道の歴史を感じますね。
最後に
こうして僕の念願アムトラックカリフォルニア・ゼファー号の旅は終わりました。
興味を持っていただければうれしいです。
調べていけば調べていくほど道中は楽しくなります。
きっと何も知らなければ苦痛でしょう。
是非、人生の1ページにこの旅を付け加えてみてはいかがでしょうか?オススメ致します!