児玉神社が売却に出てるというのをネットで見て驚いた。
神奈川の江ノ島に行った時に、にぎやかな通りとは対象的に、しずかですごくいい場所だなぁと思っていたのだ。
ここは日露戦争の英雄とでも言うべき児玉源太郎が祀られている。
乃木、東郷といった面々が各地に名前を記したものがあるのに、児玉源太郎だけはどうも見かけなかったので、江ノ島を訪ねて、その名を見つけたときは嬉しかった記憶がある。
まことに小さな国が開化期を迎えようとしている。というセリフでも有名な司馬遼太郎坂の上の雲。
その中で維新上がりの豪胆さで、陸軍において世界最強とも言われるロシアに勝つ。
まさに常識では考えられないようなことを成し遂げるリーダーとして児玉源太郎はあった。
元々児玉源太郎は江ノ島からの海の景色を愛したそうで、日露戦争後に精も根も尽き果てるように逝ったことを惜しみ、神社に祀られたとか。
日本三大弁財天の江ノ島。
広島の厳島神社と滋賀の竹生島神社もそうだ。
華やかな江島神社。
神社名は江ノ島ではない。
その参道の脇からひっそりあるのが児玉神社なのだ。
戦争は良くはないけれども、歴史を学べる場所でもあるので、売却せずに、このままあってほしいと願うばかりだ。
余談なのですが。
乃木の歌による203高地の石碑がある。
爾霊山はなれども
豈攀じ難からんや男子功名
克艱を期す鉄血山を覆うて
山形改まる万人斉しく仰ぐ爾霊山
意味は、二〇三高地はいかに険しくとも、どうして攀じ登れないことがあろうか。
男子たるもの、功名を立てようとするならば、艱難辛苦に打ち克とうという覚悟が肝要である。
その決意のもとに激戦し、ついに砲弾の鉄片と将兵の尊い血が山を覆うて山の形さえ変わってしまった。
誰しも皆この地を仰ぎ見るとき、嗚呼(ああ)爾(なんじ)の霊の山と、等しく仰ぎ慰めるであろう。