読書記録:敵兵を救助せよ!

 

久々の小説。

この主人公の工藤艦長のことを知り、即購入しました。

昔、1年ほど沖縄戦の取材に絡んでいたこともあるので、関心のある分野でもあります。

この本を表現すると、すぐに浮かんだのは「永遠のゼロ」。

しかし、何が違うかというと実話だということです。

 

タイトルにもあるように、戦時中の日本の軍艦が、敵兵を救助するのが話しのテーマで、その決断をするにいたるまでを生い立ちから順に追っていきます。

 

本書の紹介では以下のように書かれてあります。

 

1942年3月2日、ジャワ・スラバヤ沖海戦のあと、海上には撃沈された多数の連合軍将兵が漂流していた。潜水艦攻撃の危険が残る戦闘海域であったが、駆逐艦「雷」の工藤俊作艦長はただちに停船し、自艦の乗組員数をはるかに上回る422名もの英軍将兵を救助する。まさに海の武士道が発揮された瞬間だった。世界海戦史上でも稀な決断実行だったが、これまでほとんど語られることはなかった。著者は存命の日英の当事者を執念を持って探し出し、当時の状況を本書で鮮やかに再現。歴史の帳に埋もれていた数々の事実を明かした話題の書である。

 

そして本書の中で最も印象に残った言葉です。

 

“You are the welcome guests of the Imperial Japanese navy. You fight very bravely, I admire English Navy.”

「諸官は勇敢に戦われた。今や諸官は、日本海軍の名誉あるゲストである」

いつ砲撃されるか分からない中にでの救助を敢行し、上記のように語りかけたと言われています。

 

 

工藤艦長当時40代前半。

 

考えずにはいられません。

 

果たして自分ならどうするだろう。そう考えながら読んでみるといいかも。

 

武士道とは日本の神道、インドの仏教、中国の儒教を発展的にまとめあげたものと言われてますが、まさに武士道という行動なのでしょうか。

 

読み終えてあらためて、選択や決断が自分の生い立ちや人との出会い、触れてきたものが影響するのだなぁと感じました。

 

戦争はとても悲しいものだけれども、人が生まれてからずっと争いは起こり続けていて、知らない間にその渦中に立たされることもある。

祖父や従軍した人に戦争の話を聞こうとするけれど、ほとんど話してくれませんでしたが、無言だからこと雄弁に語っているのかもしれません。

 

僕は、真珠湾に参加した人の話や沖縄のひめゆり部隊の人、広島の原爆で被災された人などの話を取材などで聞く機会がありましたが、どんどん戦争経験者も寿命で亡くなっていく中、伝えるという役目もあるのかなと考えさせられました。