ルーツは平安時代以前からあったとされる今宮神社。
神社の案内によると、疫神や政治的に失脚し亡くなった人の霊などが、災いと結びつけられて「御霊」(ごりょう)と恐れられていて、医療が未発達な時代に疫病の原因を、目に見えない存在や祟りや呪いであると信じられてきた。
それに対し祭壇に神饌(しんせん)を捧げて御霊の御心を和ませ、京の中心部から京外へとお遷りいただくことが御霊会で、本格的に疫神を鎮め祀る役目を担ってきたのが今宮神社ということ。
そして、時は移り、江戸時代になって西陣に住む八百屋の娘お玉さん。
この人がなんと徳川家光の時代に側室に入り、後に5代将軍の生母として大奥で際立った華やぎの時を過ごし、従一位という女性として最高位にまで昇り詰めた事から「玉の輿」の語義の起こりともされています。
さらには参道にあるあぶり餅屋は1000年の歴史があるとも言われていて、全国からこれ目当てにこちらを訪れる人も多いとか。
こちらがあぶり餅。
香ばしい焼きたてのお餅をいただくのですが、腹が減っては戦ができぬと、お参り前にいただくのでも、後の楽しみとするのもいいですね。
駐車場がすぐ前にあって、こちらで食べると1時間分の券をもらえるので、ぜひ活用しましょう。
神社の朱色には、どこもそうなんですけど、なぜ朱なのかと思っていたら、水銀が含まれていて、魔除けの要素があるらしいのです。
なるほどーって思いました。
もとは疫病悪霊対策の神社が、次第に衰退して、徳川の時代に入り、お玉さんによって保護を受けたので復活。
そんな流れのようですね。
紅葉の時期ならぜひ見てもらいたいのが、門前の銀杏並木。
光の具合もありますけど、天気が良ければなおよしです。
今宮三階松(いまみやさんがいまつ)、松紋のひとつ。今宮神社の神紋。大阪にある今宮戎神社とは異なる。
行ったのが夕方だったので、西陽が松の上の方だけ当たっています。
月読社。
境内の中で一番高いところから見下ろすようにあるお社です。
まるで月が我々を見守ってくださっているかのよう。
江戸時代は冷蔵庫が無い時代。だからとにかく鮮度を命とするならばお日様よりも早く起きて行動する。月を読む事も大事だったみたいです。
神社は時計回りに順に回るといいと何かで読んだことがありますが、色々お社ありますので、しっかり縁を結んでいきましょう。
そして本殿。
神前のこの砂。何か意味があるのでしょうが、分かりません。珍しいタイプだと思います。
西陣織の祖神だそう。お玉さんの出身も西陣ですし、一生懸命お祈りされたのでしょうね。
たまに見かけます。願いを込めて持ち上げると軽かったら叶うというやつ。
試してみてください。
下のものは社務所でいただけるものです。
こちらは健康長寿にご利益があるので、このような人型もあるのですね。
心を込めて参拝した後は、まだ食べてない人はこちらも忘れずに。
店の方が手際よくやられているのを見てるのもなかなかいいです。
炭の赤くなるのとか僕は大好き。
古の旅人になった気分で、店前に腰掛けていただきました。
昔、ここに取材で来たのに、その後京都なんてどこがどこか分からなくなるのですが、20年ぶりぐらいでの感動の再会。
少し冷えてきた季節には熱々のお茶はたまりません。
急須にたっぷり入れてくれてますので、最高です。
大満足の参拝でした。